研究概要 |
退院患者のための住宅改善が, 病院, 保健所, 福祉機関等でどの様に進められているかについて, 当初計画ではいずれの機関についてもアンケート調査を予定していたが, 本年度は保健所保健婦についてのみ重点的に実施し, 他の機関は, 現地ヒヤリングで資料収集するにとどめた. 保健所に対するアンケート調査は, 第一次調査を62年9月に実施し, 99票を配布, 80票を回収した. さらに調査項目を整理改善し, 第二次アンケート調査を63年2月に行った. 第二次調査分については, 本年度内に集計分析が終了しないため, その結果については次年度に報告をする, 主な調査結果を以下に示す. 1保健婦の目を通して 住居と健康にかかわる事例が多数収録できた. 地方での家族介護かが急速に低下していること, 公共住宅の設計管理に多くの問題点があること, 住宅改善を国離とする生活習慣が多く残っていること等である 2住宅改善に熱心な病院がある場合 その近くの保健所も積極的な取り組みをしている場合が多く, 病院活動の影響が多数見られた. 3住宅ケアについての研査会を持つ保健所は多く, 住宅問題が研究活動のテーマの一部になりつつあることが確められた. 4現在, 住宅問題になんら取り組みを持たない保健所でも, 今後取り組むべき重要テーマと考えている所が多い. しかし, 資料, テキスト等がないと訴える例が多く, 他機関, 研究者からの援助が必要と思われた. 5建築部局と連携している保健所は未だ例外的である(本調査では熊本の保健所のみ). 6市民講座を実施している保健所は多く今後母親部室, 老人介護部室を通じ住宅改善を市民に教育することができると考えている保健所は多い. 7病院が理学療法士や作業療法士の卵に住教育訓練をしている事例(九州労災病院)福祉センターが県下保健所に住教育を実施している事例(公庫王津福祉センター)等があり, 先進的な教育訓練事等として, 今後の対策上参考となった.
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