1.研究目的:ウォータジェットにより岩盤等の掘削が試みられている。この掘削速度は主にジェットの流速によって定まるが、大深度大口径の場合にはボアホールからの繰り粉の排出能力が掘削速度に影響を与える。それゆえ、本研究は、ジェットカッティッグ時の流体の流動は管内衝突噴流と等価であると捉え、この噴流における固体粒子の流動はならびに二重円管内固液混相流について調べ、大深度大口径ジェットカッティングにおける繰り粉の排出に資することを目的としたものである。 2.研究計画:(1)ジェットカッティング時のボァホール底部における繰り粉の挙動は、管内衝突噴流における回体粒子の挙動に相当するゆえ、基礎研究として上記固体粒子の挙動を実験的に調べる。(2)ボァホール上昇中の繰り粉の挙動は垂直二重円管内固液混相流における固体粒子の挙動と等価であると捉え、この固体粒子の挙動を検討する。(3)ボァホール内における繰り粉の量ならびに分布は繰り粉の排出速度、沈降速度等に影響するゆえ、この固体粒子の量ならびに分布推定の基礎研究として画像処理による管内濃度分布推定法について検討する。 3.研究成果:(1)管内衝突噴流における固体粒子の挙動を調べた結果、固体粒子は噴流の発達領域において噴流に取り込まれる機会が多く、また偏心状態にノズルが設置されている場合の方が固体粒子は二重円管部へ流入し易いことが分かった。(2)二重円管内助走域における固体粒子の速度を測定した結果、粒子速度は一次元モデルにより概ね説明しうることが分かった。なお、二重円管部への粒子流入速度は偏心二重円管の方が大きいことが分かった。(3)画像処理による管内濃度推定方を検討した結果、0から255までの階調値に分けた場合、砕石に対するしきい値として188が適切であることが分かった。また粒子の重なり度合について検討する必要があることが分かった。
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