異なる組成のAl-Li合金を室温から200℃までの広い温度範囲で時効し、その相分解の初期および後期過程を中性子小角散乱方によって研究した。その結果にスピノダル分解理論、スケーリング理論、べき乗則理論および析出物のオストワルド成長理論を適用し、解析した。多くの興味ある結果を得た。この合金の相分解の初期過程では、規則化と相分離が競合する様式で進行する。そのため、小角散乱の散乱関数の波数依存性を表すべき乗則の指数が時効時間とともに1から6まで連続的に変化するという、従来報告されていない新しい現象を発見した。中間相および安定相の溶解線も決定し、従来頻ぱんに引用される溶解度線が必ずしも正しくないことを示した。
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