研究課題/領域番号 |
62550469
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属物性
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
小野塚 喬 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (10005936)
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研究分担者 |
梶谷 剛 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (80134039)
平林 真 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (00005836)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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キーワード | A-15型化合物 / 高温超電導酸化物 / 相変態 / 前駆現象 / 低温電子顕微鏡観察 |
研究概要 |
本研究は、超電導化合物A-15型V_3Siおよび高温超電導酸化物K_2NiF_4型La_<2-x>SrxCuO_4低温構造相変態を極低温および低温電子顕微鏡'その場'観察により研究したもので、昭和58年度-59年度文部省科学研究費補助金試験研究により試作された超高圧電子顕微鏡低温ステージをれらに改良し、新しく開発した極低温ステージを主に用い、購入した温度制御装置をとり付けた200kv電顕用窒素冷却ステージを併用しておこなわれた。 V_3Siは、立方晶-正方晶変態温度(20K)より50K近い高温より、せん断弾性定数が急速に減少するなどの顕著な前駆現象が出現する興味ある物質である。ここでは、その前駆現象の微視的構造ツィード(あるいはモットルド)模様をはじめて観察するとともに、その温度変化を明らかにした。さらに、モットルド模様が双晶に連続的にほぼ可逆的に変わっていく過程をVTRによりはじめて撮影し、その変態過程の構造モデルを提唱した。これらの結果をまとめて、Metall.Trans.19(A)(1988)797-801に報告した。 La_<2-x>SrxCuO_4は、温度の低下とともに正方晶-斜方晶変態を起こすが、さらに斜方晶から単斜晶あるいは三斜晶への新たな相変態の可能性や相変態に前駆する<114>tに沿った熱散漫散乱が報告され、混迷の度を深めた。ここでは、8Kまでの観察より、相変態は正方晶-斜方晶変態だけであること、および<114>tストリークは{114}tに平行な面欠陥によるもので、それらの配列は相変態の前後で変化しないとこなどを明らかにした。また、双晶のコントラストの温度変化より、この変態はV_3Siと同様2次の相変態に近いことを明らかにした。Proc.MRSInt.Meeting on Advanced Materials,Tokyo(1989). 以上の結果より、V_3SiとLa_<2-x>SrxCuO_4の相変態過程を比較・検討し、日本金属学会シンポジウムで発表した。
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