研究課題/領域番号 |
62550470
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
中嶋 英雄 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (30134042)
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研究分担者 |
山口 貞衛 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (80005892)
小岩 昌宏 京都大学, 工学部, 教授 (00005860)
藤森 啓安 東北大学, 金属材料研究助教授, 教授 (60005866)
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キーワード | 多層膜 / スパッタリング / 人工格子 / 相互拡散 / モリブデン / 非晶質 |
研究概要 |
物質の超薄膜の多層化あるいは熱平衡状態では結合できない二種の原子層の積層化により新機能性材料を創製することが期待される。このような多層膜の積層界面での整合性、歪、相互拡散はその膜の性質を支配する重要な要因であるが、これに関する知見はきわめて乏しい。昨年度はMo基、とりわけMo/Si多層膜の相互拡散、構造緩和および超電導性質について系統的な研究を行った。本年度はMo/Ge多層膜中の相互拡散を詳細に研究したのでその結果を報告する。 スパッタリング法によって作製したMo/Ge多層膜の相互拡散およびアニールによる構造変化をX線回折法を用いて調べた。その結果、5nmより短い積層周期の多層膜ではMoとGe層は共に非晶質であるが、5nm以上の積層周期ではMo層はbcc結晶構造をとることがわかった。3.4〜4.2nmの積層周期を有する非晶質Mo/Ge多層膜中の、665〜724Kの温度範囲における有効相互拡散係数D^^-5λの温度依存性は次式で表される。 D^^〜_λ=1.3×10^<-16>exp〔-(115±7)kJmol^<-1>/RT〕m^2s^<-1> アニール初期に見出されたサテライトピーク強度の減少および位置の変化は構造緩和と相互拡散によるものであると解釈した。D^^〜λの積層周期依存性を調べた結果に基づき、非晶質Mo-Ge合金の熱力学的性質を議論した。
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