• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1989 年度 実績報告書

Cu-Pt合金における規則度ゆらぎの発生機構と規則化過程

研究課題

研究課題/領域番号 62550478
研究機関九州大学

研究代表者

桑野 範之  九州大学, 総合理工学研究科, 助教授 (50038022)

研究分担者 板倉 賢  九州大学, 総合理工学研究科, 助手 (20203078)
松村 晶  九州大学, 総合理工学研究科, 助手 (60150520)
沖 憲典  九州大学, 総合理工学研究科, 教授 (70037860)
キーワード銅プラチナ合金 / 規則・不規則転移 / 自由エネルギ- / 相分解 / 一次相転移 / 等温焼鈍過程
研究概要

本年度は主として、L1_1規則構造をもつCu-40at%Pt合金の(A1+L1_1)2相共存温度域での相分解過程を実験的に明らかにし、それに対して熱力学的な考察を加えた。得られた結果を次にまとめる。
1.L1_1構造は菱面体晶系に属するので、粉末X線回折パタ-ンでは基本格子反射が分裂する。よって、その分裂間隔から合金内の規則領域の規則度を見積もることができる。これを応用して合金の規則状態の焼鈍時間変化を測定した。その結果、焼鈍時間がある温度(T_m)以下では規則度Sは徐々に減少した後回復するが、T_m以上の場合はまずS<0.3程度まで急激に減少してから回復することがわかった。
2.X線回折実験と同様の熱処理を施した場合の焼鈍過程を透過電子顕微鏡を用いて観察した。その結果、焼鈍温度がT_mより低い場合はL1_1規則ドメインの双晶境界や逆位相境界などから不規則(A1)相が析出するが、T_m以上では合金試料全体がほとんどA1相に不規則化した後、L1_1相が析出してくることが確かめられた。
3.T_mを規則-不規則転移温度と解釈すれば、今回の実験で得られた焼鈍過程は次のように説明できる。焼鈍温度がT_mより低い場合は、L1_1相の自由エネルギ-はA1相より低いので、途中でA1相に不規則化することなく、(A1+L1_1)2相共存状態に直接相分解する。これに対してT_mより高い場合は、まず自由エネルギ-がより低いA1相に不規則化する。そのとき、L1_1相状態が準安定であれば、一旦低規則度のL1_1になって不連続的にA1相に変移するが、そうでなければ直接A1相にまで不規則化が進行する。A1相からはL1_1相の析出により(A1+L1_1)となる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] N.Kuwano: "Field Ion Microscopic Observation of Ordering Process in a CuPt Alloy" Journal de Physique. C6. 391-396 (1987)

  • [文献書誌] N.Kuwano: "Disordering Process Associated with Phase Decomposition in a Cu-40at%Pt Alloy" Materials Transaction,the Japan Institute of Metals.

URL: 

公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi