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1987 年度 実績報告書

プラスチック射出成形金型用ベイナイト基地コラル黒鉛鋳鉄の開発

研究課題

研究課題/領域番号 62550504
研究機関九州工業大学

研究代表者

岸武 勝彦  九州工業大学, 工学部, 教授 (40029880)

研究分担者 永井 恭一  九州工業大学, 工学部, 助手 (50128120)
キーワードコラル黒鉛鋳鉄 / 共晶状黒鉛鋳鉄 / 一方向凝固
研究概要

共晶組成となるように溶製したFe-C及びFe-C-Ti合金を内径9mmのタンマン管に入れて, アルゴン雰囲気中または真空中で一方向凝固させて, 凝固界面温度を測定するとともに, 凝固組織を観察し, 微細共晶状黒鉛の生成を調べた. 得られた結果を要約すると次のようである.
Fe-C合金では, 実験した成長速度範囲で共晶状黒鉛は生成されなかった. 0.03%Tiを含むFe-C-Ti合金では, 約30μm/sで粗大片状黒鉛から微細共晶状黒鉛に遷移して, これ以上の成長速度では片状黒鉛は生成しなかった. Ti添加量の増加によって, 共晶状黒鉛への遷移は低速度に移動した. Fe-C合金を真空溶解した試料では, 2.0μm/sの成長速度で片状黒鉛から共晶状黒鉛へ遷移した.
黒鉛片間隔は片状黒鉛組織と共晶状黒鉛組織とも成長速度の増加につれて小さくなるが, 片状黒鉛から共晶状黒鉛へ遷移すると, 黒鉛片間隔は不連続で急激に小さくなる. 片状黒鉛組織の黒鉛片間隔は成長速度の1/2乗に反比例し, 共晶状黒鉛組織の黒鉛片間隔は成長速度の1/3乗に反比例した.
次に黒鉛組織に及ぼす雰囲気の影響を調べるために, 真空中で再溶解した試料を窒素または酸素雰囲気中で30min保持して, 一方向凝固を行って組織観察した結果, 真空溶解した試料では, 共晶状黒鉛が生成する成長速度においても片状黒鉛組織となることが分った. すなわち, 共晶状黒鉛の生成には低窒素及び低酸素であることが必要である.
これらのことから, Ti添加または真空溶解によって共晶状黒鉛の生成される理由は, Ti添加や真空溶解による脱酸・脱窒によるものと考えられる.

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公開日: 1989-03-20   更新日: 2016-04-21  

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