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1987 年度 実績報告書

鉄鋼の腐食生成物同定法としてのレーザーラマン分光法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 62550507
研究機関北海道大学

研究代表者

大塚 俊明  北海道大学, 工学部, 助教授 (20113532)

キーワード鉄鋼 / さび / ラマン / 分光 / 酸化物 / 水酸化物
研究概要

本研究では, 題目の通り, 鉄鋼の腐食生成物つまり「さび」の同定法としてレーザーラマン分光法を確立することを目的としている. 本年度は以下のことを試みた.
1.各種鉄酸化物ならびに水酸化物のラマンスペクトルの測定. 未整理の鉄酸化物(α-, γ-Fe_2O_3, Fe_3O_4)と水酸化物(α-, γ-, β-FeOOH)のラマンスペクトルを測定した. ここで, これらの酸化物のレーザー光照射による加熱のための変質を避けるために新たに, ステンレス鋼上にKBrを用いて薄膜(厚さ数μm)として分散固定する手法を開発した. これらの手法により良好なスペクトルが得られた.
2.鉄の大気腐食生成物のラマンスペクトルの測定. 鉄を50〜80°Cに保ち, 水滴を滴下してさび層を生成させた時の鉄さびの組成の経時変化を測定した. 80°Cでは常にFe_3O_4のみが観察されるが, 50°Cでは水滴に含まれるアニオン種ならびに酸化時間により, さびの組成は異なり, 初期さびは主にγ-FeOOH, 数日後にはγ-Fe_2O_3, Fe_3O_4, α-Fe_2O_3が条件に依存して生成した.
3.高温酸化実験測定用ラマン分光セルの製作. 最高300°Cをめどに高温大気腐食実験用の"その場"ラマン分光セルを試作した. これを使う実験は未だ開始していない(次年度予定).
4.光ファイバー利用の遠隔操作ラマン分光法用装置. 現在, 光ファイバーの先端に小型の分光器を取り付け, レイリー光の影響を極力避けるような装置を組み立てている. 次年度にこの装置の基本特性を求め, さらに改良を加えて, 実用化を目指す.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 大塚 俊明: 日本分光学会昭和62年度赤外ラマン研究部会シンポジウム講演要旨集. 34-37 (1988)

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公開日: 1989-03-20   更新日: 2016-04-21  

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