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1988 年度 実績報告書

高温高圧純水中におけるAl-Li-X系合金の腐食機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 62550509
研究機関室蘭工業大学

研究代表者

菅原 英夫  室蘭工業大学, 工学部, 教授 (80002814)

キーワードAl-Li / Al-Li-MgおよびAl-Li-Si合金 / アノード分極曲線 / 高温高圧純水腐食試験 / 耐食性 / 脱Li成分腐食
研究概要

高比強度、高比弾性率をもつAl-Li系合金は誘導放射能の減衰が大きい特性があり、この特性を核融合炉材料へ適用しようとする考えがある。この場合、高温高圧純水との共存性から、耐食性に関する知見が必要となり、本研究はAl-Li-X系合金(X:MgおよびSi)の腐食挙動を検討することを目的とした。1.試料:Al-Li,Al-Li-Mg,Al-Li-Si合金を高周波溶解炉にて試料を作成した。電気抵抗測定には液体急冷法により作成した薄膜試料を用いた。2.アノード分極曲線:0.5M-NaCl溶液中におけるアノード分極曲線を測定し、-1.2Vにおけるアノード限界電流i(-1.2V)を用い、各合金の耐食性評価をおこなった。Al-Li合金のi(-1.2V)は5〜10.Li>純Al>1〜2Liの関係となり、1〜2Li添加は純Alの耐食性より優れている。Al-Li-Mg合金のi(-1.2V)はMgの添加によって減少し、耐食性におよぼすMg効果が認められた。Al-Li-Si合金の場合、Siはアノード分極を大きくする作用があり、1〜2Liの効果は観察されなかった。3.浸漬腐食試験:沸騰および高温高圧水(150℃)中における浸漬腐食試験において、腐食減量はAl-1〜2Li-4Mg合金が最小値を示し、これらはi(-1.2V)と良い相関性が認められた。高温高圧純水中における腐食挙動は室温0.5M-NaOH溶液の場合に類似することを見出し、この系における電気抵抗変化から腐食過程の考察をおこなった。4.結論:Al-Li合金はLiの脱成分腐食を示し、表面に脱Li層が形成される。脱Li層はLi量に依存して厚くなり、低Li合金に生ずる薄い脱Li層には緻密な表面皮膜を形成し、耐食性を向上させる。Mgは脱Li層を薄くする作用がある一方、Siは初晶Siの形成により金属組織を不均一化し、耐食性寄与に問題がある。その結果Al-1〜2Li-4Mg合金は緻密な表面皮膜の形成により、良好な耐食性を示すものと考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 菅原英夫,山田豊: 軽金属.

  • [文献書誌] 菅原英夫,山田豊: 軽金属.

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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