研究概要 |
1.光記録機能発現の結晶学的要件の検討 合金が本機能を示す結晶学的条件について基本的に幾つかに分類される事を考えた. まず第1に, 高温相と低温相を示しかつ非平衡相が存在する事. この場合更に, 一次の変態を利用する場合と二次の変態を利用する場合に分けられる. 後者の例として規則不規則変態が考えられる. すなわち, 完全規則状態と完全不規則状態と部分規則状態を利用する方法である. 次に, 熱処理(焼〓, 焼入れ, 焼なまし)を利用し合金の格子欠陥の状態を変化させて光反射特性を得る方法が提案される. 第3に, 塑性加工と熱処理状態を組み合わせて同様に点欠陥格子欠陥を制御させて光特性に反映させる方法も考えられる. 2.光記録特性を有する合金の作製と光特性の測定 Ag-Zn合金とCu-Al-Ni合金を溶解整形した後, 熱処理により低温平衡相と非平衡相状態にある試料を準備した. まず, 表面処理の差異による光特性の変化を把握し, 表面性状のわずかな違いは本測定の定量的理解を著しく妨げない事が分かった. 3.特異な光機能を有する合金の試料準備 組成のわずかな変化により光反射特性が著しく変化するB2型NiAl合金について, 熱処理の差異により光反射特性が如何に変化するかを見るため, この合金系のいくつかの組成を選び試料を用意した. 次年度の測定を予定している.
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