1.光記録特性を有する合金の作製プロセスと光特性の測定 薄膜状の光記録合金Zn-Agを蒸着法により準備した。この時、蒸着の諸条件(2源蒸着か単源蒸着、加熱パワー、蒸着・基板間距離、真空度、蒸着時間(膜厚))を変数とした。上記について蒸着したままのものと各温度で各時間熱処理を施したものについて、主としてX線回折により相の同定を行った。続いて、これらの試料の光反射特性を300nmから800nmの波長領域に渡り測定した。その結果、光反射特性は組成、熱処理その後の冷却速度により著しく異なる事が明らかにされた。 2.特異な光機能を有する合金の光反射特性 B2型NiAl金属化合物の光反射特性を成分と熱処理(温度と冷却速度)をパラメータとして測定した。その結果、光反射特性は成分に依存するのみならず熱処理の差異にも依存する事を見い出した。この事実は光反射特性が成分原子、構造的点欠陥のみならず熱的点欠陥量にも依存することを意味する。また、同じくB2型金属間化合物CoAlも組成により著しく光反射特性が異なる事を新たに見出した。これら2つの化合物種の結果に基づいて光反射特性と構造との関連性について検討した。
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