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1988 年度 実績報告書

n-型多結晶チタン酸バリウムの異常な正の電気抵抗温度特性に対する結晶粒界の寄与

研究課題

研究課題/領域番号 62550517
研究機関横浜国立大学

研究代表者

井口 栄資  横浜国立大学, 工学部, 教授 (60017960)

研究分担者 青木 瞭  横浜国立大学, 工学部, 助手 (40107371)
キーワードチタン酸バリウム / ポーラロン / PTC特性 / 結晶粒界
研究概要

本研究はLa系不純物(La又はGd)を添加したn-型半導体であるチタン酸バリウムのPTC(Positive Temperature Coefficeint)特性の伝導機構の解明と伝導機構に対する結晶粒界の寄与の解明を試みる事を目的としている。今年度の研究に於ては、先ずその伝導機構の解明を主に試みた実験手法としては、約30Kから450Kの温度領域に於て、100Hzから1MHzの交番電場のもと誘電特性即ち誘電率、誘電損失及び誘電正接と交流抵抗及び直流抵抗を用いた。その結果以下の事実を把握した。
1.La或いはCd、何れの不純物を添加した場合も、40Kと60K近傍で誘電正接で誘電緩和が観測された。これらの誘電緩和のpeak温度は、周波数依存性を持つ。
2.これらの誘電緩和の緩和は印加した交番電場とpeak温度の関係から0.2evから0.05evの範囲の活性化エネルギーを持つことが明らかになった。しかも、Gdを添加した試料の方が一般に大きな値を持つことが判った。
3.交流抵抗の温度依存性においても、誘電正接に於けるpeak温度とほぼ同じ温度で誘電損失に起因すると思われる異常性が認められた。
4.直流抵抗は半導体挙動を示したが、比抵抗の値は添加されたLa又はGdの濃度に、当然の事ながら、著しく依存している。
以上の結果を総合し、又、polaron伝導の理論を参照すると、polaronが形成されている事は確実であり、しかもかなりの割合で伝導にpolaronが寄与していると結論して間違いないようである。
この伝導機構の結晶粒界依存性については、現在実験を行っている。PTC特性については、かなり明確な粒界依存性を持つことを把握しているが、伝導機構と粒界の相関関係を解明することが今後の主な研究課題となる。

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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