研究課題/領域番号 |
62550524
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
堀田 善治 九州大学, 工学部, 助手 (20173643)
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研究分担者 |
佐野 毅 九州大学, 工学部, 助手 (70037810)
美浦 康宏 九州大学, 工学部, 助教授 (80037879)
根本 実 九州大学, 工学部, 教授 (90005265)
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キーワード | Al-Li合金 / A-Mg合金 / 剛性率 / ヤング率 / Al固溶体合金 |
研究概要 |
昭和63年度は、Al合金にとって実用上重要な添加元素であるMgの単独添加およびMgとLiの複合添加の弾性率への影響を系統的に調べた。殊に、析出相を含む場合(高濃度のMg及びLiを含む場合)は時効処理の影響も調べた。また、Li添加による弾性率効果がその強度に大きく影響すると予想されるAl-Li固溶体合金の強度を測定し、弾性率(剛性率)効果との関係を検討した。結果は次の様に要約される。 1.約6原子%までのMg添加は、Alの密度を低下させるとともにヤング率(E)および剛性率(G)を僅かであるが、ほぼ直線的に減少させる。 A1-Mg二元合金のヤング率は、次式で表される E=72.3-0.1CMg(GPa) ここで、CMgはMg濃度(at%)である。 2、AlにLiとMgを複合添加した場合、3元固溶体組成の範囲ではLiとMgの効果は加算的である。すなわちLi濃度一定の場合、Mg濃度とともに弾性率は低下し、Mg濃度一定の場合、Li濃度の増大とともに弾性率はほぼ直線的に増大する。LiとMgの相互作用は無視し得る。 3.析出相の影響に関して、Al_3 Li相の析出はE及びGを増大させることが実験的に明らかにされている。(昭和62年度)が、Al-10Li-1.2Mg 合金及びAl-10Li-3.6Mg合金の時効による弾性率及び密度への影響は殆どない。すなわちAl_2 LiMg 3元化合物(T相)析出の弾性率及び密度への影響はきわめて小さい。 4.Al-Li合金単結晶の強度は、高温でピーク値を示すことが実験的に示された。これは、高温において運動転位とそのまわりに形成されるLi原子の雰囲気との相互作用が強いことを示している。 5.前項の強い相互作用の原因がLi添加による剛性率(G)の大幅な増大に起因することが強く示唆された。
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