研究課題/領域番号 |
62550525
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
佐野.毅 タケシ 九州大学, 工学部, 助手 (70037810)
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研究分担者 |
堀田 善治 九州大学, 工学部, 助手 (20173643)
美浦 康宏 九州大学, 工学部, 助教授 (80037879)
根本 実 九州大学, 工学部, 教授 (90005265)
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キーワード | ニックル-アルミニウム-チタン合金 / 金属間化合物 / 析出硬化 / 塑性変形機構 / APBエネルギー / 硬化モデル / 透過電子顕微鏡 |
研究概要 |
Ni-18at%Al-4at%Ti合金単結晶を作製、種々の熱処理を行ない、不規則γ相の析出によるγ′-Ni_3(Al、Ti)の組織制御を行った。不規則γ′相を含むγ′規則相の塑性変形機構について検討した。 1.析出相のAPBエネルギーが母相より低い場合には転位が析出相から抜け出る過程が抵抗となる。この抵抗を考慮したAPB硬化モデルによれば、時効による強度の上昇と過時効軟化現象を説明することができる。硬化モデルは基本的には積層欠陥強化機構における積層欠陥エネルギーをAPBエネルギーに置き換えたものである。 時効のごく初期段階にはAPB差効果による強化は生じない。時効が進行するにしたがいCRSSは析出相の粒径r〓と体積率f〓に比例して増加する。またAPBエネルギー差が大きいほど硬化量は大きい。完全時効段階ではCRSSの粒径依存性は小さくなり、過時効段階ではCRSSは析出物のr〓にほぼ反比例するようになり軟化がおこる。時効のすべての段階で転位はγ析出相をせん断して運動する。 3.硬化モデルはγ-Ni_3(Al_1,Ti)中での不規則γ相による析出硬化をほぼ定量的に説明することができる。また、モデルから予測される転位と析出物の相互作用は透過電子顕微鏡により観察された結果とよく一致する。
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