研究課題/領域番号 |
62550525
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属材料
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
佐野 毅 九州大学, 工学部, 助手 (70037810)
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研究分担者 |
堀田 善治 九州大学, 工学部, 助手 (20173643)
美浦 康宏 九州大学, 工学部, 助教授 (80037879)
根本 実 九州大学, 工学部, 教授 (90005265)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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キーワード | ニッケルーアルミニウムーチタン合金 / 超耐熱合金 / 金属間化合物 / 時効析出硬化 / 透過電子顕微鏡 / 高分解能像 / 強化機構 |
研究概要 |
γ′規則相中にγ不規則相の微細分散析出が見出されるNiーAlーTi系合金単結晶を組織制御することにより、γ′相の強度および塑性変形挙動への析出γ相の分散の影響を明らかにした。 1.Ni_3(Al、Ti)L1_2型規則相は組成と熱処理温度を選ぶことにより均一溶体化が可能であり、その後の時効により著しい析出硬化を示す。 2.析出相はAlとTiを含む不規則Ni固溶体であり、1073K時効では時効の進行とともに球状から球状に近い立方形、さらにはγ′母相中の{110}面上に板状に成長する。球状あるいは板状のγ析出相とγ′母相の結晶格子は完全な整合関係にある。 3.Niを過飽和に含むγ′ーNi_3(Al、Ti)単結晶中の超格子転位はAPBとCSFを含む4本のShockleyの部分転位に分解する。転位の分解様式は析出物の分散により変化せず、析出物の内部でも4本のShockley転位に分解する。 4.不規則γ相の微細分散を含むγ′規則相を室温で変形した場合のすべり系はγ′単相の場合と同じ{111}<100>系である。{100}<111>系は観察されない。 5.すべての時効段階で変形中に転位はγ析出相をせん断し、いわゆるOrowanのbypass過程は本合金では働らかない。 6.析出相のAPBエネルギーが母相より低い場合には転位が析出相から抜け出る過程が抵抗となる。 7.時効のごく初期段階ではAPB差効果による硬昵は生じない。時効の進行とともにCRSSは析出相の粒径r^<1/2>と体積率f^<1/2>に比例して増加する。 8.完全時効段階ではCRSSの析出相粒径への依存性は小さくなり、過時効段階ではCRSSは析出物のr^<1/2>にほぼ反比例するようになり脆化がおこる。 9.硬化モデルはγ′ーNi_3(Al、Ti)中での不規則γ相による析出硬化をほぼ定量的に説明することができる。
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