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1987 年度 実績報告書

超急冷凝固によるAl-Li-Zr系合金の複相析出物の形成促進と機械的性質の改善

研究課題

研究課題/領域番号 62550530
研究機関関西大学

研究代表者

村上 陽太郎  関西大学, 工学部, 教授 (90025750)

研究分担者 中尾 和祺  関西大学, 工学部, 助手 (40067632)
赤松 勝也  関西大学, 工学部, 教授 (70067643)
キーワードAl-Li-Zr系合金 / 超急冷凝固 / 熱間圧縮 / 熱間押出 / 2段時効 / 透過電子顕微鏡観察 / 複合析出物 / 機械的性質
研究概要

本研究に用いた合金組成は, 4wt%Liを含有し, 1wt%Zrを含有する合金と含有しない合金である. これらの合金は高純度AlとAl-10%Li,Al-5.7%Zr中間合金を用いて, 高周波誘導溶解遠心力鋳造装置を用いて鋳塊を作成した. 分析の結果は目標組成にほゞ近い値が得られた. これらの鋳塊を単ロール及び双ロール式超急冷凝固装置により, ボロンナイトライド製の先端にノズルを持つルツボを用いてアルゴン雰囲気下で超急冷凝固して連続リボンを調製した. これらのリボンを機械的に細かく切断し300°C,3tf/cm^2,10^<-3>Torr下でホットプレスを行なった後, 押出比20:1で直径2.0mmの線に押出を行った. これを1.5と1.6mm径に線引した, さらに1mm径に線引した試料も作った. これらの線試料は(イ)線引のまゝ, (ロ)500°C×2hrの予備時効 (ハ)190°C×16hrの単一時効 (ニ)500°C×2hr予備時効+190°C×16hr, (ホ)500°C×72hrの予備時効+190°C×16hrの時効を付加した2段時効を行い透過型電子顕微鏡観察と制限視野電子線回析を行った. さらにミクロ組織と機械的性質との関係を明らかにするためにインストロン型引張試験機で引張試験を行ない, 引張強さと伸びを測定し, また破断面の走査型電子顕微鏡観察を行なった.
TEM組織観察よりas-splatではほゞmicrocrystalline組織となり, 双ロールではさらに結晶粒が微細になった. 500°C×2hrの予備時効では母相に整合な球状のα^1-Al_3Zrが析出するが, それをさらに190°C×16hrの時効を行うと, α^1相の周囲をかこんでδ^1-Al_3Li相が成長し複合析出物が形成される. δ^1相は転位に剪断されるが, α^1相は強く, 複合析出物を微細に均一に析出させる2段時効によって, 35kgf/mm^2のUTSと10%以上の伸びが得られた. またα1相を微細, 均一化するために, 予備時効前に冷間加工を加えておくことが有効であることが判明した. 複合析出物の形成を促進することにより, 強度と靭性を同時に向上させることが判明した.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 村上陽太郎,中尾和祺: 技苑. 55. 22-31 (1988)

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公開日: 1989-03-20   更新日: 2016-04-21  

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