メタリン酸アルミニウムガラスを母体とし、ネオジムの配位状態に着目して蛍光特性を検討し、次の結果を得た。 (1)ネオジム-メタリン酸アルミニウムガラスの作製中、加えた全Nd^<3+>イオンの約70%がNdAlO_3として結晶化する。残りの約30%のNd^<3+>イオンはメタリン酸塩として存在する。 (2)修飾イオンとしてのIA金属イオンは、いずれもNdAlO_3結晶内へ固溶しないがイオン半径のIIA金属イオン(Mg^<2+>、Ca^<2+>、Sr^<2+>イオン)とP^<3+>イオンは、固溶する。 (3)K^+イオンを修飾イオンとしたメタリン酸アルミニウムガラス中にNdAlO_3の粉末を活性イオンとして加えると、1.06μmにおける蛍光寿命は、Nd_2O_3を加えた場合よりも大きい。 (4)Mg^<2+>イオンを修飾イオンとして加えると、イオン半径が小さいため、固溶しやすくなり単結晶内の単位積中のNd_3イオンの濃度が減少するので、蛍光寿命が大きくなる。 なお、蛍光スペクトルの計測装置は、島津蛍光スペクトロモニターRF-530型を購入し、凹面回折格子と光電子倍増管を交換するという発想で着手した。しかし現在RF-530型の購入まで終わりその後の進捗は、会社側の都合により抑制されている。今後努力して完成する予定である。 予備実験として、ケイ酸塩ガラスにO.5M Nd^<3+> イオンをNd_2O_3、NdAlO_3、NdGaO_3、NdlnO_3の形として加え、51.06μmにおける蛍光寿命は、NdlnO_3>NdGaO_3>Nd_2O_3>NdAlO_3の順に減少する。
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