研究概要 |
1.メタリン酸アルミニウムガラス中におけるネオジムイオンの蛍光特性 メタリン酸アルミニウムガラスを母体とした場合、ネオジムイオンは、ガラス作成の初期段階において立方晶系のNdAlO_3の微結晶を形成し、それに基づく蛍光特性を示すことを明らかにした。今年度は、斜方晶系のNdGaO_3、NdInO_3をド-プしたり、結晶内Nd-Nd間の距離を大きくするため、他の希土類元素Sm、Pr、Gd、Hoの酸化物を加えたり、あるいはガ-ネット型の結晶を作成するためYの酸化物の添加を試み、次のことを明らかにした。 1)NdGaO_3およびNdInO_3をド-プした場合、ガラス融解において、結晶中のGaおよびInは、母材中のAlと置換反応を起こしたNdAlO_3を形成する。 2)Gdの添加は、NdAlO_3結晶中のNdと置換してNd-Nd間を大きくするが、蛍光寿命(1.06μn)には殆ど影響を与えない。他方Smの添加は、著しく蛍光寿命を短くする。 3)Yの添加は、添加量によって立方または、斜方晶系の微結晶を形成し、蛍光寿命を増加する。 2.ケイ酸塩ガラス中におけるネオジムイオンの蛍光特性ガラス母体として、5OSiO_2lOAl_2O_32OCaO2OMgOを選びNdAlO_3,NdGaO_3,NdInO_3をド-ブして次の結果を得た。 1)透過電子顕微鏡写真から、NdAlO_3,NdGaO_3,NdInO_3はガラス中で、1つの相として存在するようである。 2)1.06nmにおける蛍光寿命は、ド-ブ材として、NdGaO_3、NdInO_3は加えると、Nd_20_3を加えた場合よりも大きくなる。 3)量子効率は、ド-ブ材の影響を受け、NdInO_3>NdGaO_3>Nd_2O_3の順に小さくなる。
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