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1987 年度 実績報告書

ゾルーゲル法による強誘電性薄膜の作製

研究課題

研究課題/領域番号 62550570
研究機関大阪府立大学

研究代表者

峠 登  大阪府立大学, 工学部, 講師 (00081315)

キーワードゾルーゲル法 / 強誘電性薄膜 / 金属アルコキシド / キレート化剤 / ペロブスカイト相
研究概要

金属アルコキシドを出発原料とするゾルーゲル法は, 高機能性薄膜の新しい作製プロセスとして今後の発展が期待される. しかしながら, この方法をPbZrO_3あるいはPbTiO_3などの強誘電性薄膜の作製に適用する場合, 出発原料であるZrやTiのアルコキシドが非常に加水分解されやすいことが大きな問題となる. この問題を克服するために, まず単成分薄膜について, 各アルコキシドの安定性を, それをさらに安定させるための条件を検討した. 次に, これを基に, 複合酸化物薄膜のコーティング条件と熱処理過程を明らかにた. これらを通して得られた知見は以下の通りである.
1.Zr(OBr)_4からZrO_2薄膜を作製する際, コーティク雰囲気が膜質に対して支配的な影響を及ぼした. しかし, 雰囲気の湿度を20%以下にすることにより, 非常に均質で透明なZrO2薄膜が得られた. また, コーティング雰囲気の制御以外に, アセチルアセトンのようなキレート化剤の添加が, アルコキシドの安定性を高めるのに非常に効果的であることを見出した.
2.Ti(OBu)_4, Zr(OBu)_4, Pb(OMe)_2を出発原料とし, さらにアセチルアセトンを添加してPbZr_<0.5>・Ti_<0.5>O_3薄膜を作製するための条件を明らかにした. TiおよびZrの各1モルに対して1モルのアセチルアセトンを添加することにより, 加水分離を行うのに充分な水を直接加えることができた.
3.アセチルアセトンで安定化し, 充分加水分解を行って得られたバルクゲルでは, 400°C付近でペロブスカイト相を析出し, その結晶性も加水分解を行わなかったゲルに比べて優れていた.
4.キレート化剤で安定化したコーティング溶液からは, 熱処理温度が500°Cまでは透明性の高いPbZr_<0.5>Ti_<0.5>O_3薄膜が得られた. しかし, 700°C以上では, 結晶相の析出に伴って透過率が減少し, 白濁する傾向が見られた.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 峠登, 松田厚範, 南努: 日本化学会誌. 1987. 1952-1957 (1987)

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公開日: 1989-03-20   更新日: 2016-04-21  

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