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1987 年度 実績報告書

レーザーによる連鎖反応の制御に関する研究--メタンからメタノールの一段合成--

研究課題

研究課題/領域番号 62550603
研究機関東京大学

研究代表者

幸田 清一郎  東京大学, 工学部, 助教授 (10011107)

研究分担者 富永 博夫  東京大学, 工学部, 教授 (00010760)
キーワードレーザー / 連鎖反応 / メタン / メタノール合成 / レーザー合成
研究概要

レーザーは, 単色性, 強い光子場, 短いパルス発振といった通常光では得られない特色ある光源であるが, 今までこれらの利点が化学合成プロセスに有効に利用された例はほとんど無い. 理由の一つは, 光子のコストが高い事であるが, まだ十分広く応用の可能性が検討されていないことにもよる. 本研究では, 気相の連鎖反応系を対象に, 実験と計算機シミュレーションの方法により, レーザーによる反応の開始や制御の可能性を検討した. 具体的にはメタン/酸素の系を対象として, 一段でメタノールの合成の可能性の有無を検討することを目的とした.
実験にはスタティックな温度可変の反応セルを整備し, この中に基質のメタンと酸素, 更にレーザー光の吸収剤として亜酸化窒素を添加し, エキシマーレーザー光(193nm)により反応を開始させた. 反応の進行途中で一部ずつサンプリングして質量分析やガスクロマトグラフ等で安定な生成物を分析した. 反応温度は200-300°C, 圧力は300-600Torrである. 生成物は幾つかの含酸素化合物とC2-C3の炭化水素類, 一酸化炭素や二酸化炭素である. 生成物には目的とするメタノールも見い出された. メタンの転化率やメタノールの選択率は酸素の存在下で増加したが, これは連鎖反応が加速されたことを意味する. これらの実験結果は反応シミュレーションにより説明できるものと期待され, メタノールの一段合成への可能性が示唆された.
第二年次には以上の実験的な検討及び反応シミュレーションによる検討を更に進めてメタノールの合成への外部制御条件を一層明確にする. 同時に, 反応の進行過程をより直接的に追跡するために, 中間体ラジカル類のレーザーによるモニターも計画している. このための色素レーザーの倍波システムは本年度に整備した.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Yoshito Oshima: Chemistry Letters. 1988. 203-206 (1988)

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公開日: 1989-03-20   更新日: 2016-04-21  

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