| 研究概要 |
室内環境汚染の一種ともいえるシガレットスモークおよびポリマー等の燃焼からの気相ラジカルの発生について検討すると共に, その発生機構についても検討を試みた結果, 次の知見を得た.
1.シガレットスモークからスピントラッピング法によるESRスペクトル解析により, 高反応性であるにもかかわらず, 見かけ上長寿命の気相ラジカルを検出し, それが主にアルコオキシラジカルであることを確認した. また, その生成挙動に関する知見を得た.
2.ポリマーの燃焼からも同様の方法により, 高反応性で見かけ上長寿命のアルコオキシラジカルを主とする気相ラジカルが生成するという新たな知見を得た. この気相ラジカルはポリマーの種類, 燃焼温度, 酸素濃度等によりその生成量は異なるが, これらの結果は火災時等における新たな有害性を示すものとして注目される.
3.シガレットスモークからの気相ラジカルの主要な生成過程と考えられるオレフィンーNOx-空気系モデル反応について検討し, シガレットの場合と, 同様の気相ラジカルが見かけ上長寿命で生成することから, その生成挙動を説明し得る反応機構を提案した. 一方, ポリマーの燃焼からの気相ラジカルに関しては〓素成分を含有しないポリマーについてアルゴンー酸素(80-20vol%)雰囲気で燃焼させても, 高反応性で見かけ上長寿命の気相ラジカルが生成することから, シガレットスモークの場合と異なる機構で気相ラジカルが生成するものと思われる.
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