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1987 年度 実績報告書

シクロプロピルトリメチルシリルケトン類の新合成法とその有機合成への応用

研究課題

研究課題/領域番号 62550627
研究機関金沢大学

研究代表者

中島 正  金沢大学, 工学部, 教授 (70019735)

研究分担者 千木 昌人  金沢大学, 工学部, 助手 (90135046)
須賀 操平  金沢大学, 工学部, 教授 (40019691)
キーワードシクロプロピルシリルケトン / 1-シリルー1-シクロプロピルアルケン / シロキシアルケン / β-ケトシラン / リンイリド / 硫黄イリド
研究概要

1.ジクロロメチルメチルエーテル(DCME)をカルボニル化剤とするアシルシランの合成:炭素三員環上に各種の置換基を有する一連の1-シリルシクロプロピルリチウム誘導体(I)とDCMEとの反応により, 対応する新規シクロプロピルシリルケトン(II)を比較的良好な収率で得た. 本反応では, Iと DCMEから生じたメトキシロロカルベンがIに付加した後, シリル基の分子内1, 2-転位によってIIが生じたと考えた. なお, I/DCMEモル比を2/1とすることによって副生成物を抑制し, IIの収率を向上させることができた.
2.シクロプロピルシリルケトン(II)の合成的利用(リンおよび硫黄イリドとの反応):
(1)IIと各種アルキリデンホスホランとWitting反応は高立体選択的に進み, 対応するZ-1-シリルー1-シクロプロピルアルケン(III)を95%以上の純度で与えた. この結果は, IIにおけるシリル基のかさ高さによって説明され得る. IIIのプロトン酸による脱シリル水素化を試みたが, 炭素三員環の開裂が起こりやすく, 対応する二置換アルケン(IV)への効率のよい変換は困難であった. しかし, IIIをHMPA中フッ化テトラブチルアンモニウムで処理すると, IIIは脱シリル化されてE-IVが立体特異的かつ定量的に生じた.
(2)IIとジメチルオキソスルホニウムメチリド(DMSY)との反応では, 対応するシロキシアルケン(V)とβ-ケトシラン(VI)が生じた. VとVIの生成割合は, 反応温度, 溶媒の極生, DMSY溶液の調製法によって異なる. 塩化ジメチルカキソスルホニウムとNaHから調製した無塩型DMSYを用いるとVが, 有塩型DMSY(前者にヨウ化リチウムを添加)ではVIが選択的に生じた. V及びVIの生成は, 反応中間体でのシリル基の分子内1, 2-転位によって説明されるが, DMSY溶液中に可溶性無機塩を共存させることによって, シリル基がアニオノトロピックに移動(VIの生成)しうる状況を作るだせた点は合成化学的に大きな意義を持つ.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Tadashi NAKAJIMA: Bull. Chem. Soc. Jpn.

  • [文献書誌] Tadashi NAKAJIMA: Chem. lett.,.

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公開日: 1989-03-20   更新日: 2016-04-21  

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