研究概要 |
1.側鎖としてR=CH_2CF_2CF_3、-CH_2(CF_2)_nCF_2H(n=2,4,6)及びR=(CH_2-(CF_3)_2の5種のポリビスフルオロアルコキシホスファゼンR_2P=N_nを合成し、誘電及びDSC測定等により相転移及び分子運動について検討した。R=CH_2CF_2CF_3及び-CH_2(CF_2)_6CF_2Hには新たに相転移がそれぞれ233K(ΔS=13.5Tg^<-1>)及び260K(ΔS=7.2Jg^<-1>)に見いだされた。これらの転移温度において誘電率は大きなとびとなり、また転移エントロピーが大きいことから相転移において側鎖と主鎖のならび変えが同時におきていると考えられる。さらに誘電測定においてR=-CH_2(CF_2)_6CF_2Hではα緩和(ΔH=105kJmol^<-1>)とβ緩和 (ΔH=47kJmol^<-1>)が-CH_2(CF_2)_2-CF_2H及び-CH_2(CF_2)_4CF_2HにおいてはΔH=50KJmol^<-1>及び34kJmol^<-1>のβ緩和がまた-CH_2CF_2CF_3においてはγ緩和(ΔH=28kJmol^<-1>)が見出された。α緩和は主鎖と側鎖の大きな並び変えに起因し、β緩和は主鎖のミクロブラウニアン運動の凍結に起因し、そしてγ緩和は側鎖の局所的分子運動に起因するものと考えられる。 2.側鎖としてR=-0CH_2OCH_2CH_3及び-0(CH_2)_2CH_2CH_3を導入したポリホスファゼンを合成した。誘電測定及びDSC測定の結果液晶転移は見いだされなかった。しかしいずれもβ緩和(ΔH=60RJmol^<-1>)とγ緩和(ΔH=30kJmol^<+1>)を室温以下に見いだした。 3.側鎖にコレステロールを導入したポリホスファゼンの合成を試みた。31PNMQのスペクトルの面積強度比から約3%のコレステロールが導入されただけであった。今後合成条件を変えてさらに多くのコレステロールを側鎖に導入することを検討する。
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