1.フェノキシ及びベンジルオキシ誘導体を側鎖に有するポリホスファゼンを合成しDSC及び誘電測定によって相転移と分子運動を調べた。フェノキシ誘導体を側鎖に有するポリホスファゼンは誘電測定においてβ及びγ^1緩和が見出された。β緩和は主鎖のミクロブラウン運動に起因しγ^1緩和は吸収した水に起因すると考えられる。ベンジルオキシ誘導体を側鎖に有するポリホスファゼンにおいてはβ緩和とγ緩和が現れた。 2.-SC_6H_5を側鎖に有するポリホスファゼンの合成を試みたが85%が導入されたのみであった。 3.-OCH_2CF_3-OCH_2(CF_2)_nCF_2H(N=2、4、6)及び-CH_2(CF_3)_2を側鎖に有するポリフルオロアルユキシホスファゼンを合成し誘電及びDSC測定によって相転移と分子運動について調べた。-OCH_2CF_3及び-OCH_2(CF_2)_6CF_2H_1(PHDFHP)を側鎖に有するポリマ-はそれぞれ233K(ΔS=13.5JK^+g^+)及び260K(ΔS=7.2JK^+g^+)に見出された。これらの温度の誘電率の大きなとびとエントロピ-は相転移が1次の性格を有し、又高度に乱れていることを示唆する。PHDFHPにおいてはα緩和(ΔH=105kJmol^+)が見出されこれは主鎖の回りの側鎖の合体回転に起因すると考えられる。 4.コレステロ-ルを側鎖に有するポリホスファゼンの合成を試みたが3%のコレステロ-ルが導入されたのみであった。 5.シアノバイフェノ-ル及び4-デシロキシバイフェノ-ルを側鎖に有するポリホスファゼンの合成を試みた。前者は成功したが後者は成功しなかった。前者のポリマ-は偏光顕微鏡観察において液晶を示さなかった。前駆体である三量体は前者は単変的ネマティック相を後者はスメクティックC相を示した。 6.α-D-グルコ-スを側鎖に有するポリホスファゼンの合成を試みたが、5%だけ側鎖が置換されただけであった。
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