• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1988 年度 実績報告書

中性子散乱法による高分子電解質溶液の研究

研究課題

研究課題/領域番号 62550658
研究機関日本大学

研究代表者

栗田 公夫  日本大学, 理工学部, 助教授 (50059648)

キーワード中性子小角散乱 / 二体クラスター積分 / 三体クラスター積分 / 相関長 / 高分子電解質 / 貧溶媒系 / 半希薄溶液 / 遮蔽長
研究概要

添加塩が十分存在するときの高分子電解質半希薄溶液の中性子小角散乱(SANS)測定から高分子セグメント間の二体及び三体クラスター積分の値B_1及びB_2を求めることと、これらの値の添加塩濃度依存性を調べることを目的とした。
1.単分散ポリスチレン(分子量M=1×10^5、Mw/Mn≦1.06)をVinkの方法でスルホン化し、透析、中和、凍結乾燥させてポリスチレンスルホン酸ナトリウム(NaPSSH)を得た。イオウの元素分析測定からスルホン化度は93%以上であることを確認した。
2.三種の添加塩濃度Csの重水溶液の溶媒に、NaPSSHを溶解したものを試料とした。下記のCs濃度では透過率、散乱能を考慮するとX線小角散乱実験は不可能であるので、SANS測定した。SANS測定には高エネルギー物理学研究所のKENS-SAN装置を用いた。測定温度は40℃とした。
3.Cs=4.17Mで、高分子濃度Cp=0.0243g/cm^3の散乱強度I(q)のKratkyプロットは、0.04≦q≦0.1KA^<0-1>)の範囲で、明瞭な平坦部を示すことから、この塩濃度のθ点は40℃近傍と考えられる。その折れ曲がり点(ガウスコイルの散乱から棒状粒子の散乱への転移点)から求めた高分子のからみ合う濃度は、ここで用いたCpより約2倍高かったので、このCpは希薄濃度領域であることがわかった。
4.半希薄濃度領域のI(q)の角度依存性は小角度範囲でLorentz型となったので、相関長ξを求めた。ξのCp依存性は貧溶媒系の高分子非電解質半希薄溶液に適用できるMoore理論とよく一致したので、B_1及びB_2を求めた。B_1は静電的遮蔽距離K^<-1>とともに負から正の値へと単調に増加し、約1.5〓(Cs=4.2M)でθ点となった。B_2もK^<-1>とともに増加した。
これらの挙動は、K^<-1>の増加とともに円筒状高分子電解質セグメントのcerrelation tubeの直径の増加によって説明できる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] K.Kurita;S.Shimizu;E.Wada;K.Okano;M.Furusaka: Reports an Progress in Polymer Physics in Japan. 1989.

URL: 

公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi