1.CVD法による超微粒子の生成: 塩化アンモニウムが副生粒子とて発生する[四塩化珪素/アンモニア]反応系で窒化珪素超微粒子の気相合成を行い、生成粒子径の反応ガス濃度および温度の依存性を検討した。反応は所定の温度まで昇温した反応ガスを電気炉内で乱流拡散混合し、極めて短時間の内に反応を進行させる方法をとった。生成条件により、10nmから数100nmの超微粒子が生成し、粒子径は800〜1300℃の反応温度(K)のほぼ-5乗に比例し、反応ガス濃度の1/乗に比例した。これらの結果から、熱CVD法で生成する粒子の粒径制御がほぼ可能になった。 2.目的粒子(窒化珪素超微粒子)のみの分別回収: 副生粒子の塩化アンモニウムが昇華する500℃程度の高温場で生成粒子の静電補集を行い、目的粒子である窒化珪素超微粒子のみの高純度分別回収を試みた。反応ガス組成の変動が大きいため、従来から用いられている直流コロナ方式では安定した粒子荷電ができなかったので、交流コロナ放電と直流電界を組み合わせたまったく新しい荷電方法を開発した。これにより超微粒子は効率よく荷電され、高温場でしかも苛酷なガス条件下でも静電補集が可能になった。この方式で補集された超微粒子はX線回折により副生粒子である塩化アンモニウムを含まない高純度の窒化珪素であることが確認された。 3.単極性イオン双方向荷電装置(ボクサーチャージャー)の開発: 高温用ハイアルミナ製円筒電極の試作品し、DMA方式による超微粒子の静電分級試験を試みた。高温反応ガス中で粒子の荷電効率ある程度制御することができ、高温DMA方式による超微粒子の静電分級が可能であることが示唆された。気相合成鉄超微粒子の高温静電補集も可能であることはわかった。
|