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1988 年度 実績報告書

超微少粒子の壁面への沈着

研究課題

研究課題/領域番号 62550692
研究機関金沢大学

研究代表者

金岡 千嘉男  金沢大学, 工学部, 教授 (00019770)

研究分担者 大谷 吉生  金沢大学, 工学部, 助手 (10152175)
江見 準  金沢大学, 工学部, 教授 (90025966)
キーワードクリーンルーム / 粒子沈着 / ウエハ / エアロゾル / 帯電粒子 / ブラウン拡散 / 静電気 / 重力
研究概要

超LSI製造工程において、シリコンウエハ上の粒子が沈着すると製品の歩留りが低下する。歩留りを改善するためには高度な清浄空間が必要であるが、どの程度空気を清浄にすれば目的とする歩留りを達成できるか明らかでない。そこで本年度は、空気清浄度(エアロゾル濃度)とウエハ上への粒子沈着量との関係を明らかにするために垂直層流型クリーンブース内にウエハを水平または鉛直に置き、蛍光物質であるロダミンBの単分散粒子(粒径0.03〜0.8μm)をウエハ中心軸上方のノズルから周囲の清浄気流と等速度で長時間(数時間〜数日)流し、ウエハ表面上の沈着粒子量を、0.1ppbまで微量分析が可能な蛍光分光光度計で測定した。測定値より、ウエハ表面への粒子沈着速度を計算し粒径に対してプロットするとウエハ面を鉛直にした場合、沈着速度は粒径に対し単調に減少するが、ウエハ面を水平にした場合は、粒径0.1〜0.2μm付近で最小値をもつ。これは前者の場合、沈着機構としてブラウン拡散のみが、後者の場合、粒径の小さいところでブラウン拡散が、粒径の大きいところで重力がそれぞれ作用するからである。さらに、ウエハに電圧を印加し帯電粒子を流すと、沈着速度は粒径が0.1μm以下でクーロン引力のために一桁以上大きくなる。以上の実験結果を、Ahn-Linが提案した拡散沈着速度推定式に重力沈降速度式およびクーロン力沈着速度式を加算したものと比較すると、両者はウエハヘの空気の接近速度、粒径、印加電圧、粒子帯電量の広い範囲で極めてよく一致した。さらに、ウエハ上での粒子沈着量分布を測定したところ、中心部と端で沈着量が多くなり、理論の予測と合致した。
ウエハ上への粒子沈着速度に関しては、これまで0.3μm以上の粒子に対してしかデータがなかったが、以上の結果にり0.03μm以上の粒子に対して沈着速度の的確な予測が可能となり、歩留りの予測にも役立つ。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Yohio,Otani;Hitoshi,Emi;Chikao,Kanaoka;Kaoru,Kato: Journal of Aerosol Science.

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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