研究概要 |
蒸留塔のスタートアップオペレーションに関して本年度は次の3つの研究を行った. 1.スタートアップ操作に関して我々が開発した全還流/定常還流切り換え判別関数について通常の蒸留塔のスタートアップ操作, すなわち塔の各段に所定のホールドアップ量の液を原料ポンプにより供給し, 引き続き全還流操作で運転を行い, その後適当な時刻に所定の還流比による操作に切り換え定常運転に入るというより実際的な蒸留塔のスタートアップ操作に対しても有効かどうかの検討を行い, その実用性を検証した. また, この結果を化学工学論文集に投稿した. 2.判別関数について, 温度検出段が少ない場合でも有効かどうかをシミュレーションにより検討し, 液温度検出箇所を減らした場合でも有効であることを確認した. また, この結果を化学工学協会第20回秋季大会で発表した. 3.知識ベースシステムを用いた蒸留塔のスタートアップ操作自動化への第一歩として, 蒸留塔運転に必要な知識の収集・整理を行い, その知識をプロダクションシステムとして表現することにより知識ベースのプロトタイプを作製し, 知識工学的アプローチの可能性を検討した.
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