• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1988 年度 実績報告書

密播で継代された集団の遺伝的分化の機構

研究課題

研究課題/領域番号 62560001
研究機関北海道大学

研究代表者

島本 義也  北海道大学, 農学部, 教授 (00001438)

キーワード過密集団 / 過密効果 / 集団文化 / 種子サイズ / 競争力 / 適応戦略 / ナタネ
研究概要

カラシナ(Brassica Juncea)の2品種を用いて、1平方米当たり1万粒の種子を播種し、自然の状態で結実した種子を収穫し、同様の条件で継代された集団(H型)と1平方メートル当たり1個体に間引いて毎代栽培した対照集団(C型)を供試して、H型集団の競争力を、密播、標準、疎播条件で調査した。H型は、C型より種子サイズが大きく、早く開花した。高密度条件下では、生育初期に自己間引きが生じたが、その過程の生存率は、混植によりH型は増加し、C型は減少した。自己間引きの過程の混植区では、高密度ストレスのもとで生存した固体の後代であるH型の固体が、C型の固体との生存競争に勝って生き残る確率が大きいことが明らかになった。栄養生長量および生殖生長量においても、密度の増加により競争効果が大きくあらわれ、H型がC型に対し強い競争力を示した。したがって、高密度ストレスのもとで世代を重ねたカラシナの集団(H型)は、生育初期に旺盛な栄養生長をおこなう、競争力の強い遺伝子型で構成されているものと思われる。
種子サイズに関して、C型集団から大きい方に選抜した集団(C(大))およびH型集団から小さい方に選抜した集団(H(小))と、種子サイズが、C(大)とほぼ同じH型集団およびとH(小)とほぼ同じC型集団と、各々、混植実験を行った。H型とC(大)、C型とH(小)では、H型の生存固体数が多く、H(小)とC(大)では、ほぼ同じ、H型とH(小)およびC(大)では、種子サイズの大きい方の生存固体数が多かった。したがって、H型集団の競争力は、種子サイズの効果だけでは説明できないと思われる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 石川枝津子、島本義也、津田周彌: 日本育種学雑誌. 39. 67-74 (1989)

URL: 

公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi