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イネ(フクニシキ・日本晴)の人為同質四倍体にガンマ線照射を継代的に行うことにより出現してきた二倍体様植物体(外観が二倍体と同じ植物体)の後代における形質の分離について調査を行った。フクニシキ由来のこの二倍体様植物体のうち1個体はいろいろの形質について分離がみられた。形態的変異(草姿)は4つのタイプ、長身(フクニシキ二倍体とほとんど同じ);中身(半矮性、少分げつ性);細身(半矮性、葉、茎、粒とも細い);短身(矮性、大黒型)に分類できた。それぞれのタイプは固定しうるものであったが、長身の一部は中身・細身・短身を分離し、細身の一部は短身を分離するものであった。それぞれのタイプの中においても草又の変異がみられ、遺伝するものであることが分かった。草姿は草又とは別の遺伝子によって制御されているものと思われる。出穂期についても分離がみられ遺伝することが分かった。粒デンプンにももちとうるちの分離がみられた。粒タンパク質にも変異がみられタンパク質改良に用いることができるかどうか次年度に検討を行う。日本晴についても着色や粒形、草姿に分離がみられ分析を行っている。このように四倍体をガンマ線照射することにより大きな変異を持ち二倍体様植物体が出来ることが分かった。
二倍体様植物体の染色体にどのような変化が誘発されているかを知るために、染色体の顕微鏡観察を行った。染色体数は2n=24と二倍体イネと同じであった。染色体の構造的変化を知るには染色体が小さすぎ、結論を導くことはできなかった。日本晴のゲノミッククローンを作り、それをプローブとして、変異系統のDNAに対してサザンハイブリダイゼーションによる分析を試みた。得られたクローンは反復配列であったが、染色体構造の変化を示唆する結果が得られた。さらに分析を進めなければならない。
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