エンザイム・イムノアッセイ法によるえき芽中ABA量の測定 材料は、前年度と同じものを用い、アベナテストの結果と比較・検討した。 Phytodetek社のキットを用いて、以下のように行った。 前処理はメタノールで抽出後、Sep-pack18-HPLCを用い精製・分離した。標準液、サンプル液をそれぞれ100μlを分析に供した。標準曲線を作成した結果、ABA量はlassay当り約26pg〜1ngの範囲で測定が可能であった。えき芽中ABA量は、アベナテストに比べて、全体的に低い値をとり、特に0、2日の値では大きく異なっていた。標準液での再現性は良いことから、サンプル液によるものであろう。しかし、サンプル液はいずれもHPLCで精製しているためサンプルの前処理の不十分さとは考えにくく、この違いの原因は明らかでなかった。今後、さらに検討したい。 IAA、6BAR処理におけるえき芽中ABA量の変化 刈取後のえき芽はABA量の減少をともなって伸長あすることが、前年度の結果より明らかになった。そこで、えき芽の伸長を促進する6BAR処理と抑制するIAA処理を行い、えき芽中のABA量の変化をえき芽の伸長との関係で明らかにした。その結果、いずれも6BAR処理によって、えき芽のリリーズは促進され、IAA処理は無処理と変わらなかった。えき芽中ABA量は最高で刈取後5日目のIAA処理区で約10ng/fwgであり、各処理区とも非常に低い値であった。したがって、芽の伸長抑制とABAとの関係はみられなかった。
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