研究課題/領域番号 |
62560038
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
渡辺 実 東京農工大学, 農学部, 教授 (40014914)
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研究分担者 |
寺岡 徹 東京農工大学, 農学部, 助手 (60163903)
細川 大二郎 東京農工大学, 農学部, 助教授 (50014957)
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キーワード | 宿主特異性 / 宿主-病原体間の認識 / 細菌の植物葉面への固着 / Xanthomonas campestris pathovars |
研究概要 |
植物病原細菌と宿主植物との間の宿主特異性とその認識機構の一端を解明する目的で、Xanthomonas campestris種の5pathovars・6菌株と7種植物とを供試し、宿主植物に対する病原細菌の付着異性について前年度に引続き検討した。 1.キャベツ、トマト、インゲン葉に対し、それぞれの病原細菌の3pathovarsを種々に組合せて希釈平板法による生菌数定量(生菌数法)で付着率を検定した結果、親和性組合せのキャベツ-pv.campestris(黒腐れ病菌)とトマト-pv.vesicatoria(斑点細菌病菌)の系における付着率は他の非親和性組合せより明らかに高く、付着特異性の存在が確認された。しかし、同じ親和性組合せのインゲン-pv.phaseoli(葉焼病菌)の系ではこのような特異性はみられなかった。 2.葉面に対する付着特異性が認められたキャベツ、トマトそれらの病原細菌2pathovarsを用い、これら植物の細胞に対する付着を生菌数法で検定した結果、トマトのカルス魂とカルス懸濁培養細胞に対し親和性のpv.vesicatoriaが高い付着率を示し、葉組織表面と同様に細胞レベルでも付着特異性が認められた。 3.キャベツ葉面における細菌の付着実態を走査電顕で調査した結果、親和性のpv.campestrisが非親和性のpv.vesicatoriaより明らかに多くの細菌数が計測され、この方法でも付着特異性が確認された。また、キャベツの葉位と付着の関係は中位葉に対する付着がかなり多かった。なお、細菌の細胞壁から伸長した細い繊維状物質が菌体と葉面、菌体と菌体を連結している像が多く観察された。
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