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1988 年度 実績報告書

土壌及び陸水の酸性と鉄・アルミニウム及び硫黄化合物の挙動

研究課題

研究課題/領域番号 62560057
研究機関岩手大学

研究代表者

吉田 稔  岩手大学, 農学部, 教授 (70003720)

研究分担者 亀井 茂  岩手大学, 農学部, 教務職員 (10194987)
若尾 紀夫  岩手大学, 農学部, 助手 (30003784)
井上 克弘  岩手大学, 農学部, 助教授 (30035109)
キーワード土壌 / 河川 / 湖沼 / 酸性 / ヒドロキシアルミニウムイオン / ヒドロキシケイ酸アルミニウムイオン / 交換性アルミニウム / パイライト
研究概要

研究経過および主な実績は次の通りである。
1.交換性アルミニウムは酸性土壌に特有の成分であり、また土壌酸性の有害性の有力な原因物質である。交換性アルミニウムには腐植との配位結合によって難交換性化する部分があることを認め、交換性アルミニウムの全量よりもむしろそれから難交換性を差引いた部分-易交換性アルミニウムと呼ぶ-が土壌酸性の指標として有益であることを述べた。その測定には、塩化カリウムと塩化バリウム(または塩化カルシウム)の混合溶液を用い、バッチ法で抽出するのが適当と認めた。
2.酸性陸水中のアルミニウムイオンの形態と挙動については、秋田県玉川水系、同県白雪川水系、福島県磐梯五色沼水系において調査研究を行い、これらの酸性水がアルミニウムイオン及びヒドロキシアルミニウムイオンのほかに、少量のヒドロキシケイ酸アルミニウムイオン及び同コロイドを含むことを認めた。
3.アルミニウムイオンを含む酸性陸水が流下の際の希釈と中和の進行に伴って、アルミニウムイオンのヒドロキシ化と重合がおこり、ケイ酸の付加もおこることから、ヒドロキシケイ酸アルミニウムイオンを合成して、重要な粘度鉱物の一つであるスメクタイトとの反応を研究した。同イオンはスメクタイトに吸着されると固定化し、スメクタイトの理化学性に明らかに変化がおこることを認めた。
4.旧松尾鉱山地域を対象に、硫黄と硫化鉄(パイライト)の酸化溶解と強酸性水の発生の機構と水質の特性およびそれらの微生物活動との関係を検討し、鉄酸化細菌と硫黄酸化細菌の重要な関与を明らかにした。この鉱山に隣接する「五色沼」は、季節の推移に対応して湖色の変化する興味ある湖である。その湖色変化の原因は、湖水の酸性と鉄・硫黄化合物の化学的及び微生物的酸化反応の盛衰に基づくことを認めた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 吉田稔: 土肥誌.

  • [文献書誌] 吉田稔 他: 岩手大学農学部報告. 19. 65-72 (1989)

  • [文献書誌] 井上克弘 他: Soil Sci.Plant Nutr.34. 277-285 (1988)

  • [文献書誌] 井上克弘: 土肥誌.

  • [文献書誌] 吉田稔: 土肥誌.

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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