研究概要 |
昭和62年度の研究経過は, ほぼ交付申請書の研究実施計画に沿って進められた. すなわち, インドネシアジャワ島及びスマトラ島, パプアニューギニア, 西サモアなどから採取された土壌試料について一般的理化学性を調べた. 成果の一部はすでに公表した(昭和62年度日本土壌肥料学会於札幌). これらの土壌の一般的理化学性は, 地域, 年代, 植生などの相違により異なったが試料中には日本の火山灰土壌では見受けられないOxisolsやSpodosolsへの移行段階にある粘土鉱物組成等が異なる試料が見出され興味深い. 腐植複合体については第9回国際土壌分類ワークショップ(1987,8〜7月)で発表したように既存のデータと今年度分析を行なった約30点の試料(合計100ペドン)のとりまとめを行なった. その結果, 気候, 母材, 植生などの影響をある程度受けるものの基本的にはピロリン酸抽出のアルミニウムと全炭素や抽出炭素量の間には非常に高い相関が認められ, この形態のAlが腐植の集積にとり重要であることが認められた.
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