1.パプアニュ-ギニアとインドネシアの試料について、その形態分析を腐植について行った結果、次のことが明らかになった。 (1)Kunai grasslamdが主体であったパプアニュ-ギニアでは、我国の火山灰土壌と同様 腐植複合体を形成している腐植の形態はA型であった。 (2)インドネシアの森林植生下の火山灰土壌の腐植の形態は、B型を主体とし、Pg画分を多量に含んでいた。 2.昭和62年度および63年度において分析した土壌試料について、そのアロフェン含量およびフェリハイドライト含量を調べた結果、次のことが明らかになった。 (1)塩基飽和度が高い(50%以上)試料では、アロフェンの生成が抑制される傾向にあったが、フェリハイドライトの生成はその限りではなかった。土壌pHを規定しる生成環境の相違の影響が重要と考えられた。 (2)生成年代が古い火山灰土でも、アロフェンは安定に多量に存在しており、フルボ酸も多量に存在することから、これらの複合体は土壌中に比較的安定な形態で長期間存在するものと考えた。 3.西サモアの粘土鉱物についてさらに詳細な分析を行なった結果次のことが明らかとなった。 (1)ケイ素含量(オキザレ-ト抽出)は低いが、同時に抽出されたアルミニュ-ムや鉄とよい相関を示し、フェリハイドライトやアルミニュ-ムゲルの一部にケイ素との結合を持つ非晶質粘土鉱物の存在が示唆された。このような鉱物はいままでの報告には見当らない。 4.本年度が本研究の最終年度になるため、これまでの研究成果を別紙様式1としてまとめた。
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