• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1988 年度 研究成果報告書概要

細胞分化と形態形成におけるビタミンAの機能

研究課題

研究課題/領域番号 62560078
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 応用生物化学・栄養化学
研究機関名古屋大学

研究代表者

北川 泰雄  名古屋大学, 農学部, 助手 (50101168)

研究期間 (年度) 1987 – 1988
キーワードビタミンA / 細胞分化 / 形態形成 / 胎児性癌細胞 / ラミニン
研究概要

微量栄養素としてのビタミンAの重要性は古くより認識されているが、その作用機構の全容はいまだに解明されていない。視覚系の光受容サイクルにおける機能が分子レベルで解明されているのみで、さらに重要な成長、上皮形成、生殖細胞の発達あるいは抗腫瘍性発現の分子機構は栄養学上の未解決課題として残されている。その理由は、ビタミンAのこれらの機能が「細胞分化と形態形成」という生命科学の中でも展開の遅れている分野に関係するためと思われる。ここでは胎児性癌細胞F9の分化をモデル系として、細胞分化や形態形成に対するビタミンAの作用の分子機構を解析してこの微量栄養素の新しい生理機能を解析せんとした。まず、この細胞のビタミンAとジブチリルcAMPによる分化を遺伝子発現のレベルで解析するために、分化によって特異的に出現するmRNAのに対する多数のcDNAクローンを分離した。特に、細胞外マトリックスの重要成分として注目されているラミニンB1サブユニットのcDNAクローンを単離し、その構造や遺伝子発現制御の関して重要な知見を得た。また、この細胞の分化がビタミンA濃度に対して2相性を持って応答することを示し、ビタミンAの組織内濃度勾配が形態形成の軸決定を行う機構を分子レベルで解析する端緒を開いた。さらにビタミンAの代謝産物も同様な機能を持つこと発見し、より複雑な形態形成の要因を解き明かすヒントを示した。最後に、ビタミンA存在下にこの細胞を凝集状態で培養すると表面に内臓内胚葉を持つ胚様体が形成され、この過程が初期胚における円筒胚の形成を忠実に反映していることを実証した。以上のごとく、本研究では「細胞分化と形態形成」に対するビタミンAの機能を分子レベルで研究するための基礎を築いた。遺伝的に均一な細胞集団である胎児性癌細胞をビタミンA作用のモデルとして確立したことは今後の分子生物学的解析の基盤として計り知れない意義を持っている。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Miki,K.;Kitagawa,Y.: Journal of Biochemistry. 102. 385-392 (1987)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 三木清史,北川泰雄: 化学と生物. 25. 694-695 (1987)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Miki,K.;Kitagawa,Y.: Experimental Cell Research. 179. 344-351 (1988)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Miki,K.;Kitagawa,Y.: Proceedings of The 3rd Annual Meeting of Japan Society for Basic Reproductive Immunology. (1989)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Miki, Kiyoshi; Kitagawa, Yasuo: "Reversible interconversion between prmitive endoderm -and parietal endoderm-like F9 cells domoushated by mRNAs expression" Journal of Biochemistry. 102. 385-392 (1987)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Miki, Kiyoshi; Kitagawa, Yasuo: "Biphasic response to retinoic and dose in differentiation of F9 cells into primitive endodorm-like cells." Expermental cell Research. 179. 344-351 (1988)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Miki, Kiyoshi; Kitagawa, Yasuo: "Visceval endoderm maturation of mouse egg cyliudw is controlled by the size of core cell mass." Proceedings of the 3rd Annacl Meeting of Japan Society of Basic Reproductive Immunology. (1989)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

URL: 

公開日: 1990-03-20  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi