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1988 年度 実績報告書

アミノアシルtRNA合成酵素の作用機作に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 62560081
研究機関京都大学

研究代表者

外村 辨一郎  京都大学, 農学部, 助教授 (20026545)

キーワードアミノアシルtRA合成酵素 / リジルtRNA合成酵素 / 酵素・基質の特異的結合 / タンパク質蛍光の変化 / 蛍光滴定法
研究概要

中等度好熱菌Bacillus stearothermophilus菌体から電気泳動的に均一にまで精製したリジルtRNA合成酵素(以下LRS)について、基質分子の特異的認識機構の一端を明らかにしようとした。LRSと基質L-リジンおよびその類縁化合物ならびにATPとの結合を、トリプトファン残基由来の蛍光(励起光、295nm;発光、340nm)の変化を指標として観測した。この蛍光変化は、前年度の実績報告に記したごとく、LRSと基質との特異的相互作用を直接に反映すると考えられるものである。試験したリジン類縁化合物の中で、LRSが触媒するアミノ酸依存ATP-PPi交換反応の基質となるS-アミノエチル-L-システイン(以下SAEC)は、ATPが共存しない場合もLRSと結合し、その解離定数(Kd)は41.4μM(pH8.0、37℃)で、本来の基質L-リジン(Kd=26.2μM)に近い結合の強さを示す。一方、ATP-PPi交換反応の阻害剤であるカダヴェリン(Kd=14.5mM)、L-リジンアミド(Kd=14.0mM)、L-リジンヒドロキサメイト(Kd=650μM)も各々単独でLRSと結合するが、そのKd値が示すように結合は弱い。しかし、ATPが共存する場合は、L-リジン、SAEC、カダヴェリン、L-リジンアミド、L-リジンヒドロキサメイトの見かけのKd値は、35、176、57.4、65.7、0.05μMとなった。これらのことは、ATPが共存しない場合には、LRSは基質アミノ酸の側鎖部分の認識はやや甘く、かつ、カルボキシル基部分とも接触している可能性を示唆し、そして、ATPが共存することにより、LRSは基質アミノ酸の側鎖の構造の識別を厳密に行うようになるとともに、カルボキシル基は認識の対象から外れることを示唆するように思える。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] KAKITANI,Makoto: Biochimica et Biophysica Acta. (1989)

  • [文献書誌] 大窪雄二: 生化学. 60. 631 (1988)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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