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1988 年度 実績報告書

器官培養系を用いたトロパンアルカロイド生合成経路のエポキシ化反応に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 62560084
研究機関京都大学

研究代表者

橋本 隆  京都大学, 農学部, 助手 (80180826)

研究分担者 山田 康之  京都大学, 農学部, 教授 (50026415)
キーワードトロパンアルカロイドの生合成 / 6βーヒドロキシヒヨシアミン / スコポラミン / エポキシダーゼ / 培養根 / 培養茎葉
研究概要

6、7ーデヒドロヒヨシアミンに重水素を添加することにより有機合成した〔6β、7βー^2H_2〕ヒヨシアミンをヒヨシアミン6βーヒドロキシラーゼ(H6H)により水酸化し、〔7βー^2H〕6βーヒドロキシヒヨシアミン(HーOH)を得た。この標識アルカロイドと通常のHーOHを4:6のモル比で混合レドゥボイシア培養茎葉に投与後残存HーOH中の重水素含量をGCーMSにより測定したところ、スコポラミン(SCOP)の生成に伴い総HーOH中の標識HーOHの割合が増大した。次に、重水素標識率の高いHーOHを上記培養茎葉により繰り返しscopに変換したところ、生成したscopのMSスペクトルは無標識scopのものと同一であった。これらの結果より、植物体中ではトロピン部分の7β位の水素が同位体効果を伴い引き抜かれscopが生合成されることが証明された。
ヒヨス培養根から抽出した酵素液が、2ーオキソグルタル酸依存型ジオキシゲナーゼの補因子(2ーオキソグルタル酸、二価鉄、アスコルビン酸)の存在下でHーOHをscopへ変換することを発見した。本エポキシダーゼは可溶性酵素であり、又分子状酸素を反応に必要とした。〔6ー^<18>O〕HーOH及び〔7βー^2H〕HーOHをそれぞれ基質とした酵素実験により、エポキシ化反応は6βー水酸基の酸素の保持と7βー水素の脱離を伴い進行することが判明した。すなわち、本酵素は植物体中で進行する反応と同じ立位化学でエポキシ化を触媒する。培養根からの粗酵素液中において反応至適下でのエポキシダーゼ活性はH6H活性よりもかなり低く、又両酵素活性は部分精製段階では分離することができなかった。このことはH6HがHーOHをscopへ変換する活性も弱いながら持っている可能性を示唆している。植物体中ではHーOHがほとんど蓄積することなくscopが生合成されるので、HーOHからscopへのエポキシ化反応には本研究で明らかとなったエポキシダーゼ以外の酵素も関与しているのかも知れない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Takashi HASHIMOTO: Plant Physiol.84. 144-147 (1987)

  • [文献書誌] Takashi HASHIMOTO: Agric.Biol.Chem.53. (1989)

  • [文献書誌] Takashi HASHIMOTO: Phytochemistry. (1989)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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