研究概要 |
食生活調査の結果, 魚介類, 大豆・大豆製品は地域住民が多く摂取しており, 油脂類は学生の方がやや多く摂取していた. 血清中の脂肪酸組成は, EPA,DHAについては, 阿東町住民が高い値を示した. リノール酸については, 学生郡が高い傾向を示した. EPA/AA比についても, 阿東町住民男子0.70, 女子0.56, 学生男子0.23, 女子0.18であり, 男女共阿東町住民が高い. W3系/W6系比でみた場合でもEPA/AA比と同様な傾向を示した. 魚摂取量とEPA/AA比, W3系/W6系の関係; 阿東町住民では, 魚摂取量が多いとEPA/AA比, W3系/W6系比が増加していたが, 学生では魚の多少にかかわらず殆んど差が見られなかった. 食事調査から得られた魚の量を必ずしも摂っていない可能性もある. 調査対象を一括して検討すると, 魚摂取量の多い人ではEPA/AA比が高くなる傾向がみられ, 魚摂取量とEPA/AA比の間には正の相関が認められた. 血小板凝集能について; ADP凝集パターン別に, 最大凝集率とEPA/AA比を比較してみたが, はっきりした関係は検出出来なかった. 血清脂質について;トリグリセリド, 総コレステロールは, 学生に比べ阿東町住民が高く, 総コレステロール, HDL-コレステロールは, 男子に比べ女子の方が高かった. また, EPAと血清脂質の関係は, 明らかではない. EPAカプセル摂取食とリノール酸摂取食の比較 リノール酸は食事中の特に植物油の正弦によって, 血漿に著しい変動が見られた. AAは変動が少なかった. EPA,EPA/AA比, W3系/W6系比はEPAカプセル摂取を始めると, 血漿中に著しい増加が見られたが, EPAを摂取しないとみるみる減少した. また, 摂取をやめると7日でもとのレベルにもどった.
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