研究課題/領域番号 |
62560091
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研究機関 | 山口女子大学 |
研究代表者 |
大鶴 勝 山口女子大学, 家政学部, 教授 (30110860)
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研究分担者 |
宮谷 秀一 山口女子大学, 家政学部, 助教授 (50137311)
奥田 義博 山口女子大学, 家政学部, 教授 (00106577)
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キーワード | リノール酸 / EPA / エイコサペンタエン酸 / AA / アラキドン酸 / HDLーコレステロール / 総コレステロール |
研究概要 |
当初予定の阿東地区(農村)の代わりに厚狭、植生の魚業従事者を加え、下関地区とあわせて3地区について食生活調査を行った。食品の摂取状況について、3地区を平均すると、米は男子で328.2gで、昭和60年の国民栄養調査の全国平均値216.1gと比較すると50%多く、また女子では、223.3gでほぼ全国平均値と同じであった。魚は男子160.5g、女子119.9gで、全国平均値90gと比較すると男子では80%、女子では30%多く摂取していた。逆に肉は、男子57.4g、女子43.5gで全国平均値71.7gと比較すると男子で20%、女子で40%少なく、また、魚と肉の摂取量比は3:1で、1:1である農村住民と比べて著しく異なっていた。栄養素については男女ともタンパク質の過剰摂取が著しい反面、男子のビタミン類の不足、女子のカルシウム、鉄の不足が目立った。 血清脂肪酸については、男子でリノール酸とアラキドン酸(AA)、女子でAAとエイコサペンタエン酸(EPA)に地区間に差がみられた。EPA/AA比は男子が0.73、女子0.51で比較的高い値だった。また、魚摂取量が多いと、EPA/AA比が高くなる傾向がみられた。リノール酸とEPAとの間には、ほとんどの地区で負の相関がみられた。 血清総コレステロールは各地区ともほぼ正常範囲にあったが、下関地区女子の平均値は厚狭、植生の2地区に比べ有意に低かった。HPLーコレステロールは山口県の平均値と比べ、厚狭地区はやや高かったが、他はほぼ同じ値を示した。中性脂肪は各地区とも正常範囲にあった。 GOT、GPT、γーGTP、コリンエステラーゼについては下関地区の男子において異常者が多く、特にγーGTPの異常者割合が多いことから飲酒習慣との関係を検討し、アルコールによる肝障害の可能性が強いと考えた。 血圧については、平均値として比較的低値を示しており、高血圧症のものは約一割程度であった。
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