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1987 年度 実績報告書

L因子ベクターの応用:動物細胞中でのLFベクター上遺伝子の活性化と物質生産

研究課題

研究課題/領域番号 62560095
研究機関東京大学

研究代表者

西森 克彦  東京大学, 応用微生物研究所, 助手 (10164609)

キーワードL因子ベクター / 有用物質生産 / 動物培養細胞 / 遺伝子発現制御
研究概要

(1)L因子のうち5.5KbのLFIIのうち複製に必須と考えられるBamHI〜SalI2.9Kbの断片をもとに, これにpHSG274由来のKm^r/G418^r遺伝子, 及び各種のエンハンサー・プロモーターとchloramphenycol acetyltransferase(cat)遺伝子をつなげたものを挿入したプラスミドを作製した. これらのうちMuLV-LTRを用いたものはpLMC2, RSV-LTRではpLRC2, SV40-earyenhancer・promoterではpLSC2, HSVtk promoterではpLTC2と各々命名した. これらの一連のプラスミドをマウスembryonal carcinoma F9細胞にリン酸カルシウム法で導入し, 得られたG418耐性のクローンを解析した.
まずHi〓t法により低分子DNAを抽出し, Southern-Blotting法により解析したところ, 導入したプラスミドがrearrangeすることなく存在する株が得られることがわかった. これらの株は形態的には未分化のF9細胞とほとんど変わることなく, しかも10^<-7>Mのretinoic acidを培地中に添加すると, 元株のF9細胞と同様の形態的変化を示し, またF9細胞のin vitro分化に伴ない発現が観察されるt-PAに関しても, 同様に発現し, 分泌されることが確認された.
次にこのpLMC2, pLRC2, pLTC2をプラスミドとして持つ株を選び10^<-7>M retinoic acid添加後のcat活性の変化を追跡した. この結果, 何れのプラスミドを持つ株も添加後3日目位からcat活性の上昇を示し, 添加後12日目にpLMC2保持株では60〜100倍, pLSC保持株では10〜20倍, 又pLRC保持株では約7倍程度のcat活性の増加が観察された. またretinoic acid添加に伴なうプラスミドコピー数の増減を調べたところ, 何れのプラスミドを持つ株も12日後で5〜10倍のコピー数の増加が観察された. これよりLF上におかれたエンハンサー・プロモーターはマウスF9細胞の分化に伴なう遺伝子の制御を受け, またLFのコピー数も分化前に比べ分化後は増加すること, さらにこの際LFにコードされたmiddleT抗原の量も増加することなどが明らかとなった.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Nishimori,K., Kohda,T., Fujiwara,J. and Oishi,M.: Molecular and Cellular Biology. (1988)

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公開日: 1989-03-20   更新日: 2016-04-21  

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