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1987 年度 実績報告書

メタン生成細菌のテトラピロール生合成経路を利用した補酵素の生産

研究課題

研究課題/領域番号 62560109
研究機関広島大学

研究代表者

西尾 尚道  広島大学, 工学部, 助教授 (30034383)

キーワードメタン生成細菌 / ビタミンB-12 / F430 / δ-アミノレブリン酸 / コバルト欠除コリノイド / テトラピロール化合物 / ヘム / Methanosarcina barkeri
研究概要

メタン生成細菌はビタミンB-12, F430, チトクローム(ヘム)のテトラピロール化合物を生成するが, その代謝制御機構は不明である. しかし, これらは骨格にCo, Ni, Feを含有している. そこで, これらの金属を制限した培養により, これらの生成量を人為的に調節できるかどうか検討した. Methanosarcina barkeri(DSM804)を用いて, 種々のCo, Ni, Fe濃度下で回分培養, ケモスタット連続培養, 固定赤連続培養を実施比較した結果, いずれの培養法においても, Co高濃度下(40μM)でNi, Feを制限すればB-12の優先合成を達成できた. 同様にNi, Fe高濃度下では各々, F_<430>, チトクローム(ヘム)の優先合成を達成できた. 特に多孔性セラミックスを充てんした固定床連続培養法により, B-12, F_<430>, チトクロームの生産性は著しく増加し, 各々52μM/day, 24μM/day, 8.1μM/dayに達した. なお, これらのテトラピロールは大部分菌体外に分泌されており, 補酵素の分泌醗酵が達成できた.
また, 本菌はCo無添加培養系において, Co欠除コリノイド(CFC)を生成することを見い出した. CFCは光合成細菌などで見い出されているが, 他のB-12生産菌およびメタン生成細菌においては検出されておらず, 本菌のテトラピロール生合成との関連で興味が持たれる. なお, CFCへCo以外の金属の導入も可能であり, その生理作用についても検討したい.
テトラピロール化合物の共通前駆体はδ-アミノレブリン酸(ALA)である. これは, 生物除草剤として注目され, 化学合成が困難の故に微生物による生成も試みられているが, その生成量は低い. そこで, 本菌を用いて, ALA脱水酵素の阻害剤であるレブリン酸の存在下で上述の固定床連続培養を試みた結果, 60〜70mg/l/dayの高いALA生産性が得られた. ALA生合成経路についても検討中である.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Tapan Kumar Mazumder: Appl. Microbiol. Biotechnol.26. 511-516 (1987)

  • [文献書誌] Dong Lin: Appl. Environ. Microbiol.

  • [文献書誌] 西尾尚道: 日本農芸化学会誌. 61. 1337-1340 (1987)

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公開日: 1989-03-20   更新日: 2016-04-21  

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