今年度はC_<27>テルペノイドのlucidenic acidの生合成に関する研究、単離したテルペノイドの生理活性テスト、同じ担子菌に属するコフキサルノコシカケより霊芝と類縁化合物の単離等を目的に研究を進めた。 1.6系統のマンネンタケの人工栽培を行い、子実態形成にともなうテルペノイドの生成をHPLCを用いて比較検討した。その結果、霊芝は主成分としてC_<27>lucidenic acidsを産生するものとC_<30>-ganoderic acidsを産生する菌株に大別でき、さらに構成するテルペノイドの種類、量によって細分することが可能であることが明らかとなり、苦味テルペノイドがマンネンタケの系統識別の標識化合物となりうる可能性が高くなった。 さらに多くの系統別株の培養と生成テルペンの比較検討を計画中である。 2. lucidenic acidsの生合成重要中間体と推定されるepoxy ganoderiolについて、三枝株を人工栽培して調整した粗酵素を用いて、側鎖C-3unit の切断実験を行っているが、現在のところ成功しておらず、引き続き検討中である。 3. 単離したトソテルペノイドのうち主要なものについて、肥満細胞からのヒスタミン遊離抑制効果、カルモジュリン阻害活性、プロテインキナーゼC阻害活性、抗男性ホルモン居性についての圧理活性テストを行ったが、いずれの物質も単独では高い活性を示さなかった。漢方薬等の遅効性の薬効や複合物質での効果に対する活性テスト方法について今後開発研究をおこなっていく必要がある。 4. コフキサルノコシカケは霊芝と同様な薬効が知られており、霊芝と関連するテルペノイドの精製単離を行った。種の新ラノスタン系テルペノイドを含む関連化合物を単離し化学構造の決定を行った。
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