1.マンネンタケ(霊芝)の子実体より35の新規ラノスタン系トリテルペノイドおよび10の既知トリテルペイドを単離し、分光学的データおよび化学変換によりそれらの構造を決定または固定した。 2.マンネンタケの種々の異なる菌株の子実体を用い、それらに含有するいくつかのトリテルペノイドの分析を行ったところ、それらの成分組成は菌株特有のパターンを示した。すなわち、菌株IではC_<27>のlucidenic acidsが、また菌株IIではC_<30>のganoderic acidsが主成分であった。さらにこれとは異なる菌株では菌株IIと類似のパターンを示した。以上のことから、トリテルペノイドの生成組成はこれら2つのいずれに属するかを識別するのに有用と考えられる。 3.マンネンタケの子実体より単離された個々のトリテルペノイドの苦味について検討した。その結果、強い苦味を呈する化合物の間には、構造的類似性が認められた。すなわち、苦味を呈するのに重要な役割を果たすのは、分子中の3個の酵素原因に対する疎水性メチル基の空間的な相対位置であることが結論ずけられた。
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