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1987 年度 実績報告書

トウモロコシの内生ジベレリンに関する生理化学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 62560119
研究機関東京大学

研究代表者

室伏 旭  東京大学, 農学部, 助教授 (00011916)

キーワードトウモロコシ / ジベレリン / イムノアッセイ / 矮性
研究概要

トウモロコシの未熟種子の内生ジベレリンについては, すでにGA_9, およびGA_<20>をGC/MSにより同定しているが, 今年度はそれらの前駆体として生合成経路上に位置するジベレリンの検索を行った. 材料となるトウモロコシとしてハイブリットの「交7号」を圃場にて栽培し, 授粉から8, 9日後の種子767gを採取した. 常法通り酢酸エチル可溶分画を得たのち, HPLCで分画・精製を行い, GC/MSによる同定, およびGC/SIMによる定量を試みた. 定量分析の内部標準物質として, 重水素化したGA1, GA4, GA20を用い, 定量分析用の未熟種子を抽出するさいに試料中に混入した. 内生量が少ないためGC/MSによる分析が不可能なジベレリンについては, イムノアッセイによる分析を行った. その結果, C-13位に水酸基を有するジベレリンの生合成経路上にあるものとして, GA_<53>, GA_<44>, GA_<20>, GA_1, GA_<17>, GA_<29>がGC/MSにより同定された. GA_<19>はイムノアッセイにより同定された. 主要ジベレリンであるGA1, GA_<20>の含量は, それぞれ0.10ng, 1.6ngであった. C-13位に水酸基を持たない系統のものとして, GA_<24>, GA_9, GA_<34>がGC/MSにより, またGA_4がイムノアッセイにより同定された. 以上の結果から, トウモロコシの種子には, C-13水酸化, および非水酸化の2系統のジベレリン生合成経路が働いていることが確認された. トウモロコシにおける茎の伸長にはC-13位に水酸基を持つジベレリンが関与することが明らかにされているが, 種子においては, C-13位に水酸基を持たないジベレリンが何らかの役割を果たしているものと推定される. 今後は, 受精後の時間的経過に従って, トウモロコシの雌穂, ならびに種子中のジベレリンの生合成がいかなる変化を示すかを追究する予定である. また, 絹糸(雌しべ)中のジベレリンについての検索も行うことも計画している.

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公開日: 1989-03-20   更新日: 2016-04-21  

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