研究概要 |
1.(1)甘味抑制物質ジジフィンの精製は, これまでHPLCにより行われたが, 構造決定及び活性テストのためにはより多量の試料が必要となる. そこで本年は, シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製法を検討し, 極めて簡単に, 且つ収率良く純品を単離する方法を確立した. (2)得られたジジフィンを用い, 化学構造の決定を行った. すなわち, 昨年までの研究でジジフィンはラムノースおよびアラビノースを持つjujubogenin配糖体であることがわかっている. 今回, 各種NMRスペクトルデータ等の解析によって, 糖の結合部位およびラムノースの2, 3位水酸基がアセチル化されていることを明らかにした. (3)温和な条件でアセチル基をとりのぞいた化合物はは, 甘味抑制活性を持たない. このことは, 糖の水酸基が甘味抑制に関与していることを示唆する. また, ジジフィンは, シヨ糖意外の全ての甘味物質(アスパルテーム, ステビオシド, サッカリン等)の甘味を抑制することが明らかになった. 2.ギムネマ酸には多くの同族体が存在するため, これまでのシリカゲルカラムクロマトグラフィーによる単離方法で純品を得ることは, 不可能である. 本研究では, 逆相カラムを用いたHPLCによって精製を行い, 5種類のギムネマ酸同族体を得ることに成功した. これらのうち, 甘味抑制活性の強い二種類の化合物について, 各種スペクトルを測定し, その構造を最終的に決定することができた. さらに化学的方法によっても, この構造を確認した. 3.ミラクリンをトリプシン, リシルエンドベブチターゼなどの酵素により断片化し, 得られた各ペプチドを逆相HPLCにより分画し, ミラクリンの全アミノ酸配列順序を決定した.
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