研究概要 |
1.ミラクリンの全一次構造の決定 精製したミラクリンを用いて、ミラクリンのアミノ酸配列順序の決定を行った。まず、S-カルボキシアミドメチル化したミラクリンを用いて、N末端から46番目までのアミノ酸配列を自動アミノ酸シークエンサー(Applied Biosystem Protein Sequencer,model 470A)により決定した。次に、lysyl endopeptidase,TLCK-chymotrypsin,V8-protease等を用いて、ミラクリン分子の切断を行った。生成したペプチドをHPLCで分画し、各ペプチドをアミノ酸シークエンサーにかけた。また各ペプチドのアミノ酸組成を測定し、アミノ酸シークエンサーで得られた結果の確認を行った。2.ミラクリンは191箇のアミノ酸からなる一本のボリペプチド鎖から構成されている。また、ミラクリンは、14%の糖を含んでおり、2本の糖鎖が存在する。これらは、N末端より42番目および186番目のアスパラギン残基と結合している。ミラクリンのアミノ酸配列および糖含量から、ミラクリンの分子量は24,600と計算された。 3.ミラクリンの糖組成および糖鎖構造 ミラクリンにはグルコサミン、マンノース、ガラクトース、キシロース、フコースがそれぞれ3.03、3.00、0.69、2.12、0.96のモル比で含まれていることが確認された。さらに糖鎖はキシロースを含む複合型糖鎖構造をしていることが明らかになった。
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