1.スキー場における植生量、裸地率と斜面傾斜角の関係 単位面積あたりの植生量は斜面傾斜角の大きいところほど少なかった。盛夏時におけるその平均値は0.29m^3/m^2であった。 裸地率は植生量と高い負の相関関係にあった。また傾斜角が大きくなると、出現する最大の裸地率の値が漸次増大していた。 このように、傾斜が急になるほど裸地の現れる確率が高くなり、また植生が発達していたとしても、その現存量は小さいことがわかった。 2.スキー場と隣接森林内の土壌性質の比較 表層上(0-5cm)と下層土(10-15cm)について、容積重、孔隙量などの物理的諸性質を比較すると、下層土ではスキー場と森林とでさほどの差は認められないが、表層土では顕著な差があり、スキー場における堅密化傾向を検出できた。 3.凍結・融解に対する耐性実験 pF1.5および2.7に調製した自然構造土に、-5℃、6時間の凍結18時間室内静置のサイクルを、2回、4回、8回加えた。処理後、団粒分析器で2時間の上下振盪をおこない、最大篩目(2mm)に残った量と全量との割合を崩壊率とし、さらに2mm通過分の平均重量直径を測定した。 崩壊率はサイクル数が多くなると微増していた。また表層土では生根含有量が崩壊率との間に明瞭な負の対応関係を示していた。 pF1.5の表層土の平均重量直径はサイクル数との間に負の対応関係があった。
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