研究概要 |
(1)実験林 名古屋大学構内に植栽されているヒノキ13年生人工林(立木密度15000本ha^<-1>のうち, 樹高4.2m, 生枝下高0.9m, 地上高1mでの幹直径4.9cm(1987年4月現在)のものを測定木とした. (2)実験方法 a.二酸化炭素交換速度の測定 実験林を被う大型の同化箱は, 光合成有効波長域で約90%の光透過率を持つ, 厚さ0.2mmのポリ塩化ビニルフィルム製である. 同化箱の内部を外気温度に同調させた状態で, 地上部の二酸化炭素交換速度を連続して測定した. 通気速度は, 最大で117m^3h^<-1>であるが, 呼吸速度の測定時には通気速度を低くした. b.樹幹生長の非破壊的測定とリター回収 毎月一度, 二酸化炭素交換速度の測定木の樹幹周囲長を, 50cm間隔で測定し, 幹の生長経過を測定した. また同時に, 同化箱内に蓄積しているリターを回収した. c.結果 昼間, 暗黒状態で測定した暗呼吸速度-温度関係と, 夜間の呼吸速度-温度関係との間には, 有意な差が認められなかった. 地上部純生産速度に, 呼吸速度-温度関係から計算される地上部呼吸速度を加えることにより, 総光合成速度を推定することができる. 1日当りの総光合成量(Pg, gCO_2 tree^<-1> d^<-1>)と日積算照度(I, Klx h d^<-1>)との間には, 以下の双曲線関係が認められた. 1/pg=A/I+B (A, Bは季節によって変化する係数)
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