(1)実験林木 名古屋大学構内に植栽されている13年生ヒノキ人工林のうち、樹高4.9m、地上高1.0mでの幹直径6:1cm、幹材積8.2dm^3(1988年6月現在)のものを測定木とした。 (2)実験方法 実験木の地上部を、大型の同化箱(5.0m^3)で被い、その内部を外気温度に同調させた状態で、夜間呼吸速度を通気法により赤外線ガス分析器(IR21;横河電機)で測定した。通気速度は、夏季に60m^3h^<-1>、冬季に15m^3h^<-1>であった。 (3)結果 a.呼吸速度ー温度関係 単木地上部呼吸速度R_T[gco┣D22tree┣D1-1┫D1h┣D1-1┫D1]と同化箱内温度T[℃]との関係は、以下に示す指数関数で良く近似された。 R_T=R_Oexp(K・T) (R_O、Kは月ごとに定まる係数) b.呼吸速度の温度係数Q_<10> 上式から計算される単木地上部の呼吸速度のQ_<10>(=exp(10.K))には、明らかな季節変化が認められ、最高値は1月の3.0、最低値は6月の1.4であった。気温の低い冬季に高く(2.5〜3.0)、気温の高い夏季に低い(1.4〜1.6)傾向であった。また、春と秋には冬季と夏季の中間値(1.6〜2.5)を示した。
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